8月、暗号資産の上値は重く調整地合いは続くか？ | ビットコインなどの暗号資産（仮想通貨）をチャートで学ぶ | マネクリ マネックス証券の投資情報とお金に役立つメディア

2025年8月は、アルトコインの反落に警戒

8月は株式市場では夏枯れ相場と言われ、高値を積極的に追いにくい月になります。2025年7月末のFOMC（連邦公開市場委員会）後から金融市場は調整の値動きが散見され、米株も下落基調です。トランプ関税は各国合意が実現しつつありますが、8月12日には米中関税の90日間延長合意のタイムリミットも存在します。トランプ米大統領の承認を得て再度延長をするように報道されていますが、本当にそのようになるのでしょうか。

トランプ米大統領はよくちゃぶ台をひっくり返しますので、筆者自身はシナリオ通りになるとはあまり考えておりません。先日ストックホルムで開催された米中会談では協議に進展があったかのような報道がありましたが、これらが小さな引き金になると予想します。

現状の地合いから、米中協議が進む中でベース関税が改定されることがリスクであり、トランプ政権は圧力をかけてくる可能性のほうが高いと考えます。よって、米中の関税交渉の行方が、市場変動要因の1つとなり、協議内容次第では株式市場と暗号資産市場ともに下落するでしょう。また、7月は特にアルトコインがよく上昇しましたので、8月はその反動が入ると予想しています。反落に警戒をした対応が主となりそうです。

BTC（ビットコイン）の押し目の考え方

テクニカル的な買い場である1600万円の水準を待つ

【図表1】　BTC／JPY　日足チャート 出所：MONEX TRADER CRYPTO（iPhoneアプリ） BTC／JPY日足チャート分析です。現在、1690万円付近のレジスタンスラインで上値を押さえ込まれており、ここをしっかりと上抜けるかがポイントです。MACDはしっかりと反転形状となり、0.00方向に向かって下げている状況です。この付近まで下落しないと調整相場は終わらないと考えており、一旦0.00付近まで沈下するのを待ってからの押し目買いが良いと考えます。

多少の調整が入るならば、1600万円手前からの買いトレードが良いでしょう。ここは今週中に押し目を作るならば、サポートライン＋SMA90（水色）が位置するクラスターポイントです。テクニカル的な買い場となりやすい価格ですので、ここまでの押し目を個人的には待ちたいと思います。

1690-1700万円は上値が抑えられやすい

【図表2】　BTC／JPY　4時間足チャート 出所：MONEX TRADER CRYPTO（iPhoneアプリ） BTC／JPY4時間足分析に時間軸を切り替えます。SMA200（橙）に上値を抑えられそうな位置で価格が推移しています。レジスタンスラインも控えていることから、テクニカル的にはショートエントリーしやすい局面です。

戻り売りを狙う場合は、現在価格からでしょう。抜けたとしてもSMA30や90がすぐ上に控えており、8月5日には1690万円付近まで下落する可能性があります。より上値が重くなると考えますので、8月4日にこの付近に停滞するならば8月5日以降は下落転換しやすくなるでしょう。買いトレードは控えて、押し目待ち戦略で良いと考えます。

深い押し目待ち、ETH（イーサリアム）のMACDはダイバージェンス発生中

【図表3】　ETH／JPY　日足チャート 出所：MONEX TRADER CRYPTO（iPhoneアプリ） ETH／JPY日足チャート分析です。8月3日はSMA30でサポートされて反発しましたが、現状はレジスタンスラインの水準に差し掛かっています。BTC同様に上抜けが難しい局面かもしれません。MACDはダイバージェンスが発生しており、浅い押し目買いは控えたいところでもあります。深い押し目を狙うならば40-42万円付近に引けるサポートラインでしょう。SMA90（水色）も控えていることから、テクニカル的には買い場になります。

ただし、まだ現状価格から20%も下落したポイントなので、やや考えにくい価格帯でもあります。2024年のような急落があれば押し目を狙う買い場になるかもしれませんが、頻繁に起こるような値動きでもないので、8月中にもしかしたら予想外のリスクオフ材料で下落した場合にのみ、買いを検討する程度に意識しておくと良いでしょう。

しかしながら、MACDダイバージェンスは確度が高いと考えられますので、まだまだ一定の下落調整は挟むでしょう。また来週（8月11日）以降、チャンスが到来するかもしれませんので持っているポジションは縮小し、今一度押し目買いを狙うトレードで良いのではないでしょうか。